リライアンス・セキュリティー株式会社
-シニアとともに「最も入社して働きたい警備会社」をめざす-
- 70歳以上まで働ける企業
- 人事管理制度の改善
- 賃金評価制度の改善
- 戦力化の工夫
- コンテスト入賞企業

企業プロフィール
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創業2000(平成12)年
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本社所在地広島県広島市
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業種施設警備、雑踏警備、交通誘導警備
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事業所数
導入ポイント
- 業界をリードする警備会社実現に不可欠な労働力としてシニアを重視
- 事業拡大により増加したシニア従業員がいっそう働きやすい環境の整備
- シニア従業員増加で予想された労働災害増加を未然に防止するための対策強化
- シニア従業員に対する契約先の不安を解消して60代、70代でも働ける場を確保
- シニア従業員ならではの不安を解消して仕事に専念できる仕組みづくり
- 若手と変わらぬ徹底した研修の実施と即時の連絡体制確立で労働災害を防止
- 60代の仕事ぶりが50代と変わらぬ実績を契約先に示して理解を獲得
- 一人暮らしのシニア従業員に大手警備会社が駆けつける緊急通報装置を配付し不安を解消
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従業員の状況従業員数 250人 / 平均年齢 53.8歳 / 60 歳以上の割合 60~64歳 36人 18.7% 65歳以上 30.6%
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定年制度定年年齢 65歳 / 役職定年 なし
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70歳以上継続雇用制制度の有無 有 / 内容 希望者全員70歳まで継続雇用。70歳以降は一定条件のもと年齢上限なく継続雇用。
同社における関連情報
■企業プロフィール
2000(平成12)年に創業し、2002(平成14)年に株式会社を設立。商業施設の駐車場等の交通誘導警備や、出入管理、巡回等を行う施設警備を手掛けている。「お客さまに丁寧に対応し、この場を楽しんでもらうこと」を第一に、「警備業界のディズニーランド」「西日本の警備会社の中で最も入社して働きたい会社づくり」を目指し、若手、女性、シニア、障害者など、積極的に採用を続けている。

■専門家の視点・取組みのポイント
雇用制度改定の背景
Q.制度改定のきっかけは何でしたか。
2009(平成21)年に大型商業施設オープン時の警備を受注し、30名ほど採用することになりました。もともと60歳以上のシニアは一人もいませんでしたが、これを契機にシニア雇用を進めました。当時、70歳で採用したシニアがいましたが、その後、76歳や79歳、最近では80歳での採用がありました。
Q.シニアの優れている点は何でしょうか。
地元企業で定年まで40年間働いた人は優秀な人が多いです。人生経験が豊富なシニア警備員は現場の近隣住民や通行人とのコミュニケーションも円滑です。責任感を持って仕事に臨める人物かを見極めて採用します。直近の入社者の平均年齢は65歳を超えていますが、そこから5年、10年働いてくれます。現在の最年長者は84歳です。
Q.シニアにどのような教育を行うのですか。
業界他社では新規採用者の教育は20時間ほどですが、当社では、社員・アルバイトに関わらず同じ30時間行います。徹底的に礼儀を身につけさせ、きちんとした挨拶と周囲への気配りができる人材にします。服装や身だしなみのチェック項目は210あります。シニアからは「こんなに厳しく教育されるのか」と驚かれることもあります。その結果、パッと見た瞬間から「この警備員さんすごい、見たことない」、「他社の警備員とは全く違う」と言われる警備員になります。研修中は給与を支払うだけではなく研修費用も掛かりますが、立派な警備人材は会社の評価を高めます。採用されたシニアの9割はこの業界の未経験者ですが真面目に学んでくれます。
Q.シニアの実際の働き方を教えて下さい。
警備の現場はさまざまです。大型ショッピングセンターは8名で24時間体制の現場があります。スーパーの夜間警備は1名です。交通誘導であれば1名から4、5名で、現場に早く来て車や歩行者・自転車の状況を知り、立ち位置も決めます。一方、施設警備では施設内のテナントや消防設備の位置、20項目を超える手順書の内容を熟知しなければなりません。1日に歩く距離も10キロほどになり、体力負担を考えて新規採用は原則64歳までとしています。どのような警備であっても求められる人材は状況判断ができ、流れが読め、死角を作らず、意思疎通ができる人です。毎日100か所以上の現場で計200人ほどが働いています。各従業員の状況に合わせ、配置や勤務日数を調整します。
Q.現場で働く人の安全や健康も重要ですね。
現場は皆違います。経営者や管理職は頻繁に現場に出向き、従業員にも話を聴いてリスクを判断して即、対応します。また当社では問題発生時の明確な報告基準「報告10分ルール」を決めています。何かあれば現場判断することなく即座に本部に連絡、管理職を通じて社長に報告される仕組みです。研修では安全教育を徹底し、事故やクレーム事案は事例共有しています。5月から10月は熱中症対策、10月から3月は防寒対策、感染症対策は1年を通して取り組んでいます。
Q.シニア活用の課題はありましたか。
65歳以上の従業員にも社会保険に加入してもらおうと考えました。将来の年金が増え、休業した場合でも傷病手当が支給されて保護されるからです。ところが年金が満額支給される年齢になって保険料を払いたくないと猛反対されました。長期的なメリットを根気強く説明した結果、皆さん加入してくれました。シニア活用を進めるうえでの課題では契約先の理解も重要でした。施設警備では60歳以上の配置を禁止する契約先が大半でした。そのため採用時の年齢が制限されていました。50代から勤務していた警備員が60歳を超えても変わらずにいい仕事を続けていることを知ってもらい、60代警備員への理解が広がりました。今では多くの契約先が上限年齢を60歳から65歳に変更しています。
Q.シニア従業員の皆さんの受け止め方は。
多くのシニアから「この歳まで働けてうれしい」と言われました。また、78歳のシニアは「社長からお客さまの感動を追求して欲しいといわれて、それがやりがいとなっている」とのことでした。シニアがしっかり働いている会社という評判が社内外で生まれ、シニアの求職者が増えました。
Q.シニア活躍推進のためのポイントとは。
3つあります。1番目は、まず何のためにシニア活躍が必要なのかということです。目的を明確にすればアクションを起こしやすいと思います。2番目に社内に向けたトップの強いメッセージです。担当者が先導して進めようとしてもなかなか社内の理解が得られず、取り組みが進みません。トップのメッセージが欠かせません。3番目に専門家に相談することです。専門家のコンサルティングや個別相談などで問題解決が一気に進みます。
人事管理制度の概要
■採用と職種構成
年間の平均採用人数は正規従業員30名弱、非正規従業員25名程度で、採用職種は警備員である。警備員の多くは中途採用であるが、将来の幹部候補として新卒採用にも力を入れている。
■賃金制度と評価制度
基本給は職能給であり能力評価で査定、年1回昇給し、定年を過ぎても昇給がある。役職者は役職手当があり、定年後も役職に就いている場合は支給される。賞与は業績評価をもとに年2回支給される。
■継続雇用制度
65歳定年後は希望者全員70歳まで再雇用される。70歳以上でも健康で働く意欲があれば引き続き1年更新で上限なく継続雇用される。定年時の給与減額はなく、退職まで昇給がある。フルタイム勤務が基本であるが、当人の健康状態や通院、介護等の諸事情を勘案して勤務形態や勤務日数を決定する。
高齢従業員戦力化のための工夫
■資格取得の奨励
年齢にかかわらず、同じ研修の機会を提供して成長を促している。警備業務担当者に各種資格取得を奨励し、研修・受験費用は会社が負担している。資格取得者には資格手当を支給している。
■経営者や管理職による現場巡察(巡回)
社長や管理職は頻繁に現場へ出向き(巡察)、各現場の状況把握と担当警備員の要望を聴取している。警備員からは「わざわざ自分の現場まで来てもらった」と喜ばれる。現場の話だけではなく本人の健康状態や悩みなども聴くことができ、状況に応じて勤務場所や勤務形態の変更も行われる。
■金銭以外の報酬(心理的報酬)の提供
国家資格を取得したリーダーの制服に付いているモール(ひも状の装備品)は一般警備員のモールよりも太く、差別化されている。本人の功績が他の従業員に分かるようになっている。また、顧客から感謝された警備員を会社は表彰している。これらの心理的報酬が従業員に誇りと喜びを与え、いっそうの職務邁進につながっている。
■一人暮らしシニア従業員の安心を提供
一人暮らしのシニア従業員に対しては希望者全員に会社が契約した大手警備会社の緊急通報装置を配付、異変があった場合に警備会社が駆けつける。シニア従業員が「家で倒れても誰にも見つけてもらえず亡くなるのではないかと不安です」と現場を訪れた社長に話したのがきっかけで実現している。
健康管理・安全衛生・福利厚生
■健康管理体制の拡充
熱中症対策として本社と現場にドリンクを豊富に用意、寒冷対策では防寒服・防寒ズボン、ヒーターベストを支給している。現場での安全を重視し巡察を強化、事故やトラブル発生時は「報告10分ルール」で本社に即時で状況が知らされる。設立20数年の会社であるが、勤続10年と20年の者は永年勤続表彰される。食事会や懇親会でも会社と従業員間でコミュニケーションを充実させている。
(出典)「警備業における転倒災害防止について」
今後の課題
シニア活躍だけではなく働き方改革や女性活躍でも積極的な取り組みを進めている同社であるが、「社員の健康や命を守るために会社としてもっとできることがあるのでは」と常に自問自答を繰り返している。現状にとどまることなく、継続的な改善の取り組みを行い、「西日本の警備会社の中で最も入社して働きたい会社づくり」を進めている。
出所:70歳雇用推進事例集2026
