株式会社平田自工
-働きやすさを実現するため、一人一人を大切にする会社-
- 70歳以上まで働ける企業
- 人事管理制度の改善
- 賃金評価制度の改善
- 戦力化の工夫
- コンテスト入賞企業

企業プロフィール
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創業1970(昭和45)年
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本社所在地滋賀県甲賀市
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業種自動車、車検、整備、損害保険
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事業所数
導入ポイント
- 人手不足に加え、会社側は高齢従業員の技術・技能を高く評価し、高齢従業員自身からの長 く働きたいという要望が合わさり、より長く働ける制度改定につながった
- 従業員が安心して長く働ける職場とするため、個別協議により労働条件を設定していくこと で、一人ひとりにあった働き方を探っていった
- 働きやすい環境を実現するために、すべての従業員を大事にしているというメッセージを経 営者側から発信
- 離職率が低くなり職場定着が図られた
- 長く働いてもらうことにより、高齢従業員の持つ技能を若手に継承する機会が増えた
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従業員の状況従業員数 33人 / 平均年齢 40歳 / 60 歳以上の割合 60~64歳 9.1% 65歳 以上 9.1%
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定年制度定年年齢 65歳 / 役職定年 60歳
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70歳以上継続雇用制制度の有無 有 / 内容 70歳まで希望者全員を継続雇用。
同社における関連情報
■企業プロフィール
1970(昭和45)年滋賀県甲賀市にて創業し、個人にて自動車整備・販売を開始。確かな技術力と充実した設備をもとに、「地域に根ざし、確かな技術と信頼で、お客様の安心・安全なカーライフを支える」を表明している。

■専門家の視点・取組みのポイント
雇用制度改定の背景
Q.制度改定のきっかけを教えてください。
人手不足が大きな要因の一つですが、昔と違い今の高齢者は体力的にも衰えていないように感じ、60歳定年ではもったいないと思っていました。ご本人も働けるうちは働きたいと言われており、双方の思いが定年の引上げを進めるきっかけとなりました。
もう一つは、国の方針は生涯現役に近い考え方になっています。働けるうちは働いて、年金支給開始を少しでも繰り下げてもらうことが世の中のニーズとしてあります。そう考えると60歳の定年は早いと考えました。
Q.高齢従業員はどのような働きをされていますか。
72歳で採用した高齢従業員には主に洗車業務を担当してもらっています。その際、新しい機器を導入し身体に負荷がかからないようにしています。洗車以外にも、空いている時間は経験を生かして施設内の緑化整備を担うなど活躍してもらっています。
Q.若手従業員に技能をつないでいく際の工夫について教えてください。
後輩の育成に対して特にマニュアルはありません。その時々の困り事に対して、マンツーマンで適切なアドバイスを提供してもらえるように、お力を借りているという感じです。なんでも相談できるというは、業務の上だけではなくて日頃からのコミュニケーションの中で生まれてくるものと考えています。そのためには家族的な雰囲気といったものが大切だと考えています。
Q.働きやすい環境はどのように実現されているのですか。
困りごとなどの相談は常に受け入れ、ものが言いやすい空気感については気をつけています。組織としては年に2回上長との間で個別の面談の後、社長面談で話を聞くようにしており、大きな問題はそこで対応しています。しかし、小さい悩みとか、打ち明けることができない段階もあると思うんです。そこで、毎日すべての事業所を回って、全従業員の顔を見て挨拶するようにしています。そうすると、その時の表情とか声のトーンとか大きさとか仕草で普段と違うことがわかります。それをみて直接の上長に個別に対応してもらっています。
Q.働きやすい職場はどんな効果をもたらしましたか。
従業員一人ひとりを大事にし、一緒に頑張ろう、というメッセージを常に発信し続けることによって、離職率を低い水準におさえられています。従業員の満足がなかったら、お客様にご満足いただけるサービスの提供は無理です。まず先に従業員に喜んでもらえる職場環境を目指すこと。その中で一生懸命やっていると、お客さんにはそれが必ず伝わります。「雰囲気いいよねこの会社。みんないきいきしてる」という評価をしてもらうと、やる気が高まり、それが好循環になっています。
人事管理制度の概要
従業員の職種は、営業、サービス整備、事務の3種。高齢従業員はサービス整備を行っている者が多いが、高齢になった後、サービス整備から営業に職種を転換したり、営業の第一線から営業サポートと雑務に役割を変えた従業員もいる。
定年年齢は65歳である。それ以前の年齢でも従業員からの申し出があり、かつ会社が認めれば、退職金を受け取った後、非正規従業員としての勤務も可能であり、中年期以降のライフプランを各自で選択できる制度となっている。65歳以後は、70歳まで希望者全員を再雇用しており、雇用形態は本人の希望により正規か非正規のいずれかを選べるようにしている。
さらにその後も運用により年齢の制限なく雇用している。役職定年は60歳である。
■賃金制度
定年前後で給与体系には変わりはないが、基本給の額は見直され、その額は職責等により個別対応となる。昇給や賞与についても同様に個別の面談により決定される。従業員のこれまでの収入、年金に加えて、どれくらいの給与があれば賄えていけるのかといったことや、業務負荷とのバランスもみながら、お互いに納得できるよう話し合いを行っている。
高齢従業員戦力化のための工夫
■技能継承・ペア就労
営業においては、接客、クレーム対応など実践による技術の継承が必要であるため、若手従業員が高齢従業員に同行してのペア就労による実践指導を行っている。
サービス整備に関しては、特に外国人技能実習生と高齢従業員との間で円滑なコミュニケーションが交わされることにより、外国人実習生の職場適応が高まり、さらに新たな価値観がもたらされ、イノベーション創出機会をもたらすことにもつながっている。
■キャリア形成支援研修の実施
2020(令和2)年から人材派遣会社が実施するキャリア形成支援研修会に参加している。すべての年代の従業員を対象としており、高齢従業員には、自分のキャリアの棚卸と今後を見据えるための機会としてもらっている。
■従業員からの意見集約
毎月の始まりに全従業員が集まる機会を設け、その場で従業員から改善提案などを募り、全員で共有したうえで、会社として取り上げられることは取り上げて職場改善に反映している。
■再雇用後の労働条件
再雇用後の労働条件は、1年ごとに行う個別の契約による。個別面談を行い、仕事の上で何ができて何ができないかといった責任の範囲を明確にしたうえで、なるべく負担のかからないような働き方をしてもらっている。
■時間短縮制度・年次有給休暇の時間単位付与
体力の低下や健康状態など高齢従業員の働きやすさを高めるため、60歳以上の従業員を対象に、勤務時間を1時間から3時間までの範囲で短縮することを可能としている。
また、各従業員の保有する年次有給休暇日数のうち5日を限度として、1時間を単位として休暇を取ることが可能である。高齢従業員の通院や介護のための使用のほか、若い従業員が家庭のことを大事にするために使うことも想定しており、来客の多い土日での活用も可能である。休むときは休んでその代わり仕事はきっちりやってもらうというメリハリを意識してもらっている。
■作業負担の軽減
近年の自動車には新たな装備が搭載されており、整備のための技術はもちろんのこと設備や機器もそれに対応する必要がある。整備に不可欠な大型・中型のリフトをはじめ、タイヤチェンジャーやバランサーなどの関連機械を導入することにより、作業姿勢の負担を低減している。また、最新の洗車機や高圧洗浄機を導入したことにより、労力が少なく短時間で洗車作業が可能となった。
健康管理・安全衛生・福利厚生
■健康管理
定期健康診断に加え、35歳以上の従業員には人間ドック受診をすすめ、その費用を全額負担している。また、インフルエンザ予防接種費用も会社が負担し、インフルエンザ罹患者が減少している。
私傷病欠勤についても就業規則で定め、「会社が必要があると認めたときは、診断を受けるべき医師を指定し、随時診断を受けさせること」等の条項を含めている。健康管理の重要性を就業規則で規定・周知したことで、従業員の健康意識が高まり、会社として戦力の維持といった効果をもたらしている。
■休職制度
病気による離職を防止するため、最長3か月の休職制度を設けている。会社が必要と認めたときには休職期間の延長も可能。復職後、休職前の職務・職場に復職するように規則で定め、安心して復職できるよう制度を整えている。
■休憩時間と休憩室の整備
休憩時間はお昼の1時間以外に、10時からと15時から、それぞれ15分ずつ取れるようにしている。
休憩時間等に高齢従業員が身体を休め、若手・中堅社員とのコミュニケーションを活性化できるよう、休憩室の整備・拡充を行っている。休憩室内には電子レンジや冷蔵庫を設置するほか、給湯室やミニキッチンを併設し、昼食をとる際や、従業員同士の親睦を深めるために活用されている。
■暑熱対策
サービス整備を行う従業員にはファン付きベストやネッククーラーを支給している。そのほか、ミスト発生機能付きの送風機や作業場近くに冷蔵庫を設置し、水分補給を容易にするなどの対策を行っている。
■社員旅行
年に一度行われる社員旅行は、従業員が張り切って幹事を行い、候補地を絞り込んで場所が決まる。旅行のための積み立ては行っているものの、会社負担で実施し、積立金はお小遣いとしてリターンしている。「今年はどこに行かせてもらえますか」という雰囲気でほぼ全員が参加している。
■その他
年に1度「お客様感謝祭」を実施したあと、従業員のがんばりをねぎらう意味も込め、会社負担で食事に行くことのほか、定期・不定期の飲み会を開催するなど、従業員間がコミュニケーションをとれる機会を作るようにしている。
今後の課題
従業員が出した利益は還元したいという経営側の思いがある。それを実現するためには、従業員一人ひとりが自分の責任を果たし、自分で給料を稼ぐという考え方を身につけてもらう必要がある。自分の給料を稼ぐために、どうしたらいいかと言うことを従業員一人ひとりが考えるようになると自走式組織になる。トップダウンでするのではなくボトムアップの力で進んでいきたいと考えている。
