株式会社ヤオコービジネスサービス
-雇用条件の改善をはじめ安全対策等により長く働ける職場を実現-
- 70歳以上まで働ける企業
- 人事管理制度の改善
- 賃金評価制度の改善
- 能力開発制度の改善
- コンテスト入賞企業

企業プロフィール
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創業2010(平成22)年
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本社所在地埼玉県川越市
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業種警備業・保険代理店・店舗施設管理 他
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事業所数
導入ポイント
- 採用難による人手不足問題
- 前例がないため、高齢者が長く元気に仕事を続けられる働き方、本人の継続的な勤務意欲の 維持などの環境・仕組みづくり
- 社員の声も聞きながら手探りで環境・制度づくり等を実施
- 親会社の店舗がより効果・効率的に業務に傾注できる後方支援体制の確立
- 求人への応募者の増加
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従業員の状況従業員数 97人 / 平均年齢 61歳 / 60 歳以上の割合 60~64歳 11.3% 65歳以上 53.6%
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定年制度定年年齢 70歳 / 役職定年 なし
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70歳以上継続雇用制制度の有無 有 / 内容 年齢上限なく継続雇用。
同社における関連情報
■企業プロフィール
2010(平成22)年に創業。株式会社ヤオコーが展開するスーパーマーケットの店内保安警備や店舗駐車場警備を通して、お客様の安全・安心を確保し、快適な空間の提供をになうことで食の拠点として地域に貢献してきた。

■専門家の視点・取組みのポイント
雇用制度の背景
Q.制度改定のきっかけは何でしたか。
採用難による人手不足問題がきっかけです。当社に応募する方の大半が65歳以上で、定年は70歳ですが、当時はその後アルバイトによる再雇用に切り替わっていました。社会保障の充実や勤務体制の整備に注力してます。採用難の中での雇用条件は同業他社と比べると厳しいです。雇用条件を改善するとともに、長く働くことができる環境にするために、2022(令和4)年1月に就業規則を改正し、継続雇用制度の上限年齢を撤廃しました(図表参照)
Q.改定で苦労した点は何でしたか。
どのような働き方にすれば高齢者が長く元気に仕事を続けられるのか? 単純に働ける年齢を上げるだけで本人の勤務意欲を継続的に維持できるのか? 本当に高齢者が働き続けたいと思ってもらえるのか? という点です。社内でも前例がなく、手探りで高齢者が働き続けやすい環境・制度づくりを行ってきました。その中で社員の声も聞きながら、定年後も時給は変わらず、評価制度も継続(昇給もありうる)、勤務日数も選べる(週2日~5日)、社内の福利厚生も利用できるよう定めました。また、週3日以上の社員は75歳の後期高齢者になるまでは社会保険にも加入してもらいます。
Q.どのように改正を進めていきましたか。
対象年齢者に継続雇用の希望の有無についてのヒアリングを行い、当時親会社のヤオコーには継続雇用制度の見直しについての説明を行いました。75歳以降も働いてもらうことになりますので、健康維持管理の対応についても検討しました。
Q.改定にあたって社員からの反応は。
社員からは、元気なうちはいつまでも働くことができること、昇給、賞与アップもあること、社会貢献できる実感ややりがいにつながっていることなど好評を得ています。
Q.制度改定後、もたらした効果はありましたか。
ありました。ヤオコーの店舗がより効果・効率的に業務に傾注できる後方支援としての位置づけができていること、求人への応募者が増えていることなどです。
人事管理制度の概要
■継続雇用者への昇給と賞与支給の実施
警備業務の社員は有期雇用で採用し、2年目以降は無期雇用に転換する労務管理がとられている。70歳定年を迎え、継続雇用に切り替わると、改定前はアルバイトに切り替わり、昇給、賞与の支給はなかった。今回の改定により、70歳定年前の労働条件が継続されることになり、継続雇用後も昇給や賞与の支給が行われるようになった。
■人事評価の実施
警備業務の社員全員(無期転換社員、継続雇用の高齢社員)に業務評価を年1回実施している。その流れは、年初の上司との面談による目標設定、期中の現状確認面談、年度末の評価面談で、評価結果は昇給、賞与に反映される。継続雇用制度改定前は継続雇用者の人事評価は行われなかったが、評価が行われることにより、継続雇用後も評価結果次第では給与や賞与が上がることになり、高齢社員のモチベーション向上につながっている。
■短日勤務による無理のない柔軟な勤務体制
警備業務の社員の1日の所定労働時間は8時間を基本としているが、勤務日数については週2~5日まで自分のライフプランに合った働き方を選択できるようにしている。また、1か月ごとのシフト制がとられ、勤務場所は特定の店舗ではなく自宅から通える範囲の店舗としている。シフト管理はこれまで前月までに勤務日の希望を申請した書類をもとに社員が作成していたが、ITを活用したシフト管理に切り替えたことにより、これまで煩雑だった業務の効率化と公平なシフトの作成が図られた。こうした公平なシフトによる柔軟な勤務体制となったことで、社員は家事、孫の世話、配偶者・親等の介護・通院等翌月の予定行事など自分の生活を重視することができ、心身ともに負担が軽減され、長期にわたり働き続けることができるようになり、満足度が高い。
高齢従業員戦力化のための工夫
■教育訓練の充実
警備業法に基づいて警備業務の社員に対して採用後に20時間の法定研修が行われているが、同社はさらに2日間の研修を行っている。具体的には、店舗で警備をになう心構えなどの社内教育と店舗でのOJTである。また、単独で業務にあたる警備員を定期的に指導員が巡回し、さらなる技能と技術の向上のための個別指導を行い、安心して働ける職場の実現および未経験者の定着率向上に努めている。
■年齢を問わない資格取得支援
同社は意欲的な社員に対して年齢にかかわらず交通誘導2級の資格取得を支援している。具体的には勤務時間内の2日間の技能指導、費用補助等で、資格取得者には資格手当を支給している。
■定期的な社内研修の実施
同社は法定研修以外にも社員のキャリアップ、技術向上を図るため、3か月ごとの定期的な研修を実施している。研修内容は、お客様からの意見や社員自らの課題提案、指導員からの問題提起などをもとにした課題解決研修、端正な服装、礼儀正しい言語などの継続教育など多岐にわたる。こうした社内研修は社員の警備技術の向上だけではなく、日常各店舗で単独で警備業務に従事する社員同士のコミュニケーションの場も担っている。
健康管理・安全衛生・福利厚生
■グループの一員として取り組む健康経営
ヤオコーグループ(現在は(株)ブルーゾーンホールディングス)の一員として推進している健康経営のもと、同社の代表的な健康管理の取組は次の3つである。
第1は社会保険加入対象者の緩和で、労働時間が週20時間以上の社会保険加入義務のない社員も加入対象としている。第2は健康診断の拡充で、定期健康診断において法定項目以外も受診対象とし、40歳以上の社会保険加入者は2年に一度人間ドックを活用でき、会社と健康保険組合から一部補助を実施している。また、週20時間未満の社員も本人が希望した場合は定期健康診断等を受診させている。第3は健康保険組合とのコラボヘルスの推進である。
■屋外業務の安全衛生対策
屋外で行う警備業務は熱中症・寒冷対策が不可欠であり、同社は様々な安全衛生対策をとっている。熱中症対策研修の実施をはじめ、夏期は空調服と経口補水液を、冬期は使いてカイロをそれぞれ支給している。さらに、熱中症対策として駐車場警備では日よけ箇所を設置し、業務中の休憩は店舗の休憩室を利用するようにしている。そして、業務中に体調不安が起こった際は店舗責任者を通して同社に連絡が入る連携体制をとり、安心して警備業務に従事できるようにしている。また、警備業務の社員に対して業務中に発生したヒヤリ・ハットを日報などにより情報共有をしている。
■福利厚生~グループの運動会への参加
年1回、全店舗休業日を利用したヤオコーの運動会に参加して、社員間の交流を図っている。このほか、ヤオコーの運動施設を利用できるようにしている。
今後の課題
同社は高齢社員を中心とする社員がより働きやすい職場環境の実現に向け、ワークシェアリングの活用や、介護離職防止に向けた両立支援の取組み、転倒をはじめとする労働災害防止など、今後も各種取組みに注力していくこととしている。
