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株式会社リンクアンドモチベーション

定年を定めず年齢にかかわらない人事・処遇制度を構築

  • 70歳以上まで働ける企業

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株式会社リンクアンドモチベーションのロゴマーク

企業プロフィール

  • 創業
    2000年
  • 本社所在地
    東京都中央区
  • 業種
    人事コンサルティング事業
  • 事業所数
    3拠点(2024年7月1日現在) ※単体

導入ポイント

  • 2007年に定年年齢を定めないことを明確化
  • 独自の時間観のもと3ヶ月に1度の人事評価制度を設計
  • 従業員の状況
    従業員数 556名(2024年7月1日現在)※単体 / 平均年齢 31歳 / 60 歳以上の割合 1.5%
  • 定年制度
    定年年齢 定め無し
  • 70歳以上継続雇用制
    制度の有無 該当せず
2024年07月01日 現在

同社における関連情報

企業概要

株式会社リンクアンドモチベーションは組織人事コンサルティング事業を行っている会社である。従業員数は連結で1,519人、単体で556人(2024年7月)である。

従業員の年齢構成は60歳未満548名(98.6%)、60歳代前半6名(1.1%)、同後半2名(0.4%)、70歳以上0名(0.0%)、平均年齢は31歳である。

人事・処遇制度の見直しの背景

2000年創業当時は従業員数も少なく高齢社員がいなかったため、定年制度を設けていなかった。

2007年に、年齢、性別などにかかわらず個人の成果や成長に基づく人事・処遇制度の構築にあたり、定年年齢を定めないことを明確化するとともに、これらが実効性をもって機能するよう、「世の中の3ヶ月はリンクアンドモチベーショングループの1年」との独自の時間観のもとに、工夫された評価制度を実施することとした。

制度見直しの内容

■賃金体系

賃金体系は年功序列ではない等級に応じた賃金を設定している。

等級段階は役職に一定程度は連動しているが、管理職等のポジションが空かないと昇格できないことは、社員のモチベーションの低下を招くため、完全な紐付けはしていない。

年齢にかかわらず、人事評価に基づく等級により役職が決定されるため、役職定年は設けていない。また、転職が当たり前となる労働市場において、退職金制度が転職等の労働移動に影響を与えることは避けたいとの考えのもと、退職金制度は設けておらず、退職時期は社員自らが決定するものとしている。

年齢にかかわらない人事・処遇制度や評価制度を実施し、人事評価によって等級が上がったり下がったりするため、組織の新陳代謝や若手のモチベーション維持について課題感は感じていない。

■評価制度

個々の従業員の等級の決定は、上長が行う一次評価と、会社(評価会議)が行う二次評価をもとに決定される。特に、一次評価については、「世の中の3ヶ月はリンクアンドモチベーショングループの1年」との独自の時間観のもと、3ヶ月ごとに年4回行われる、全社員を対象とした上長との面談により実施している。これにより、高いモチベーションを維持しながら成長し続けられる環境やスピーディーな事業展開の実現を目指している。

会社の業績や組織への貢献度合いを示す「パフォーマンス」と、個人の成長度合いを示す「ストレッチ」の2軸で目標を設定し、それぞれの指標で評価を実施することで会社の期待と社員の成果創出・成長のバランスをとっている。

「ストレッチ」目標の一例としては、「慌てず、構える監督~代打・オレは禁じ手に~」(管理監督者として部下の仕事を支援する)「ポパイ ~ホウレンソウのロールモデル~」(「報連相」の徹底によって仕事の質を上げる)など、ユニークな言葉を用いているものもあり、楽しみながら追いかけられる目標を設定している。

また、3ヶ月に1回、グループ全体の現在地や目指す姿の共有を目的として、グループ総会を実施し、業績の振り返りやMVPの表彰、経営トップからの方針共有などを行っている。2023年のグループ総会への平均参加者数は1,371名であり、社員の大半が参加するため、視界の共有がなされ、エンゲージメント(組織のありたい姿と個人のモチベーションの合致)の向上にも繋がっている。

高齢社員については面談において、年齢にかかわりなく、引き続き同じ業務内容、同じ業務量で働けるという者もいれば、働き方を変えたいという者もいる。このため、その時の状況に応じて、業務の難易度を下げたり、難易度は下げなくても労働時間を減らしたりすることで、業務内容に見合った等級及び賃金が設定されるとともに、柔軟な働き方が実現されている。

(引用)株式会社リンクアンドモチベーション「Human Capital Report 2023」,P.39評価制度
(引用)株式会社リンクアンドモチベーション「Human Capital Report 2023」,P.46グループ総会
(引用)株式会社リンクアンドモチベーション「Human Capital Report 2023」,P.46グループ総会

制度見直しの工夫

全社員を対象として、360度評価サーベイを階層別に実施し、周囲からの期待や満足度をもとに自身の在り方を振り返る制度(サーベイフィードバック)を導入している。

サーベイでは個人の成長課題抽出とアクションプランの設定を行い、サーベイ実施後は、結果をもとに課題についてアドバイススクランブル形式(※)で話し合い、今後のアクションプランを設定する研修を実施し、成長へのPDCAサイクルを高速回転させている。
※同じ境遇のメンバーとグループセラピー形式でアドバイスをし合う方式

高齢社員については「伝承」という評価項目があるが、個々に求められる役割は人によって異なるため、「伝承」の内容については、例えば、「社内での人脈」や「後輩への助言」など個人に合った内容に詳細化して評価することとしている。

制度見直しの影響・効果

「人材は最大・最強の資本である」との創業以来の考えのもと、年齢、性別などにかかわらない個人の成果や成長に基づく人事・処遇制度を進めてきた。これを最大化するために、社員のモチベーションを高め、束ね、成果に結びつけられるよう、独自の時間観による評価制度等の工夫に取り組んでいるところであり、こうした自社の取組が、昨今の「人的資本経営」の強い追い風とも重なったものと実感している。

高齢社員になったから、一定年齢に達したからと言って、一律に賃金や処遇を下げることはしない。高齢社員自身の状況に合った業務内容や業務時間、難易度にしており、柔軟な働き方が実現されているため、高齢社員からも働きやすいとの評価を受けている。

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